656.気づき力(2014.2.10掲載)
これといってビッグヒットのなかった昨年の食品業界において、コンビニコーヒーとコンビニ高級食パンは群を抜く成功事例として歴史に名を残した。 コーヒーも食パンもありふれた定番商品だから、ヒットの立役者は「喫茶店のコーヒーがコンビニで飲めたら売れる」「パン屋さんの食パンがコンビニで買えたら喜ばれる」ことに気づいた仕掛け人ということになる。 そう、これから求められるのはこの「気づき力」なのだ。気づき力を磨く訓練を始めるべきなのだ。 ところが、残念なことにわれわれ男性は気づかない生物であり、しばしば気づきの天才である女性を怒らせる。 「昨日から腰が痛くって、もうなんだか大変なのにまたまた夕食の後片づけで余計にひどくなったみたいで、それなのに今日に限って洗い物が多くて、も〜やだ」 「そんなの言ってくれればやったのに」 これで炎上である。「言ってくれればやったのに」は、察することを放棄した言葉で火に油のNGワード。模範解答は「気づいてあげられなくてごめんね」なのだが、はたして言えるかな…。 古来、女性はあらゆる変化に気づくことで、男性が狩りに出たあとの家を守った。洞窟で生活していた時代、気づかないことは命に関わる大問題だった。一方、男性は獣を倒して食糧を持ち帰ることのみに集中できるよう、気づきの能力が欠落してしまった。 とはいうものの、ヒット商品のためには染みついた本能に抗ってでも気づき力を向上させなければならない。王道は万物を「その気で見る」こと。 在りし日の本田宗一郎氏は、牛が農耕や運搬に使われていた昭和30年頃、「牛の耳はどこにある?」と会う人ごとに聞いたらしい。見慣れた牛なのに、角の位置はわかっても耳の位置を即答できる人はいなかったという。 その気で見ていないから当たり前のことがわからない。 女性の角の位置を見失わないよう、気づき力を鍛えなければならないのだ。
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