680.生活寿命(2014.7.28掲載)
博報堂生活総研が、「生活寿命」についてまとめたレポートがおもしろい。 これは、ある生活行動ができなくなったり、したくなくなったりする年齢を生活寿命と名付け、64種類の行動について生活寿命が何歳かをアンケート調査した結果がベースになっている(首都圏と阪神圏の1032人対象)。 例えば、女子が父と一緒にお風呂に入らなくなる「お父さんとお風呂寿命」が10歳5ヶ月、海水浴に行こうと思わなくなる「海水浴寿命」が41歳5ヶ月といった具合である。 他にも、合コンに行かなくなる「合コン寿命」35歳6ヶ月、行列してまでラーメンを食べようと思わなくなる「行列麺寿命」42歳2ヶ月、焼き肉がヘビーに感じて食べたいと思わなくなる「焼き肉寿命」51歳4ヶ月などがあって、思い当たることだらけ。 体力や気力の問題、経済的な理由や嗜好の変化など「寿命」を迎える理由はさまざまだが、健康寿命という考え方同様、生活寿命を把握して暮らしの移り変わりをキャッチすることは重要である。 そこで、年齢とともに寿命を迎える行動だけでなく、加齢をポジティブにとらえ、年を取ってできるようになった行動を「デビュー」としてまとめる方が消費の拡大につながるのではないかと考えた。 小学生時代どうしても買えなかった森永エンゼルパイをまとめ買いする「大人買いデビュー」40歳、寿司屋のカウンターに一人で座れるようになった「一人寿司屋デビュー」48歳、つけが利く飲み屋が5件できた「後払いデビュー」50歳等々。 ふむふむ、では今後のデビューは何があるのだろう。 古今亭志ん朝のDVDセット3万円を落語好きの両親にプレゼントする「大人親孝行デビュー」52歳、孫の世話をする「孫遊びデビュー」55歳、町内の縁台でステテコ1枚で将棋を指す「スラム街デビュー」60歳、あたりか。 今後は、両親を介護できなくなる「介護寿命」と自分が介護される「介護デビュー」どちらも先延ばしできるよう、心身共に鍛え続ける所存である。
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