690.21時からのレシピ(2014.10.13掲載)
ある産業医から聞いたのだが、どんな業種でも、工場で働く40代以上の従業員には「いそがしくて残業の多い人ほど太る」というセオリーがあるらしい。 それは、遅い時間に食事を取るから。 30代までなら持ち前の基礎代謝でなんとか摂取カロリーをこなせるのだが、40代となると21時以降の食事がどんどん蓄積されてしまう。 超過勤務の頑張りに逆行する体重のせいで、「与太郎」の烙印を押されたのではたまったもんじゃない。そこで食事対策である。 まず、残業後にどうしても食べたくなる「麻薬系」の食事を考えてみると、「ラーメン」「牛丼」「ケーキ」に行きつく。そして、これらが油脂、砂糖、かつおだしで構成されていることに気づく。例えば、ラーメン=油脂+かつおだしであり、ケーキ=砂糖+油脂という組み合わせ。 人間は、おいしくて栄養のある組み合わせに吸い寄せられ、それをどうしても食べたくなるよう脳内に執着心がプログラムされているのだ。 ところで、油脂、砂糖、かつおだしという執着御三家であるが、唯一かつおだしだけはヘルシー素材で何の問題もない。無実である。 つまり、21時以降の食事はかつおだしを増やして脂質と糖質を減らせばいいのだ。だしが効いていると薄味でも十分おいしいし、だしに含まれる「ヒスチジン」というアミノ酸が脳内でヒスタミンに変化して満腹中枢を刺激してくれる。 例えば「梅かつおスープ」。 かつお節3g、梅干し2個、醤油小さじ1/3、砂糖ひとつまみをカップに入れ、150ccの熱湯を注ぐだけで完成。満腹感十分のヘルシーメニュー。 あるいはひと手間かけて「キムチチゲ」。 前述の「梅かつおスープ」に豆腐1/2丁、ニラ25g、しいたけ1枚、アサリ100g、キムチ50g、砂糖小さじ3/4を加えて中火で煮る。キムチのカプサイシンで脂肪燃焼効果も期待できる。 男のアバウト感覚で作っても十分おいしい満腹メニュー。ポイントはかつおだしたっぷり。 どんなメニューにも合うかつお節の「だし感」。これこそが残業しても太らない21時からのレシピに欠かせない要素なのである。
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