696.閏9月(2014.11.24掲載)
やっと晩秋の寒さが身にしみるようになった今日11月22日は、二十四節気の「小雪(しょうせつ)」。そして、旧暦の10月1日。 昨日まで旧暦の9月だったわけだが、これが閏9月という2回目の9月。だから今年は過ごしやすい初秋の時期が長く続き、ありがたいことになかなか寒くならなかった。 月の満ち欠けに依存する旧暦は1ヶ月が29日か30日で、1年354日。11日足りないから3年で1ヶ月ずれてしまう。このずれを解消するために19年で7回前後閏月を挿入するのだが、これが見事に季節感と合致する。 確かに、前回は2012年に閏3月が入り、お花見前の肌寒い時期が長かったと記憶している。そして次回は2017年閏5月。新緑の季節が長く続くいい年になるに違いない。 ところで、水産業界に身を置く者は旧暦を気にすることが多い。例えば旧暦の1日は朔。つまり新月で真っ暗闇だから光を嫌う伊勢海老を狙う。また、1日の新月も15日の満月も大潮になるから魚が動くことを考慮して網を入れなければならない。 一方、お天道様が頼りの農業は太陽暦。すなわち、太陽の動きを24等分した二十四節気と雑節。立春から数えて88日目に茶摘みを行い、210日目には台風から農作物を守る備えをするのだ。 ならば、加工食品業界の暦は何か。とりあえず、新暦と旧暦と記念日カレンダーから都合のいい歳時記をイベント化すればいい。 ということで、11月23日は「外食の日」。日本フードサービス協会が、家事でいそがしい女性に外食をしてもらおうと勤労感謝の日に重ねて制定した。そして、11月24日はごろ合わせで「いい節の日」。 ぜひ、いい節でだしを取る和食店で外食をし、過ぎ去りし閏9月と来る閏5月に思いを馳せていただきたいものである。
|
column menu
|