701.乙未(きのとひつじ)(2015.1.5掲載)
今年の干支である「乙未(きのとひつじ)」には、柔軟性、従順性、角を立てずに物事を運ぶ等の意味があるらしい。 とすると今年は「柳に風折れなし」の精神で、流れに逆らわず仕事をする年なのかもしれない。まぁ、年々逆らう根性も無くなってきているが。 一方、2015年は穏やかなヒツジのイメージとは裏腹に、災禍を振り返る節目の年でもある。 戦後70年、日航機墜落事故から30年、阪神大震災、地下鉄サリン事件から20年、JR福知山線事故から10年。 そして、節目を迎える食品がいくつかある。「オロナミンC」「ココナッツサブレ」が発売50周年、「ぺヤングソース焼きそば」「カップスターラーメン」が40周年である。 また、我らが「かつおパック」も各社出揃ってから40年経った。先行企業の特許をかいくぐって数社が追随し、現在、全国で年間約13億袋のかつおパックが流通している。 疲れを知らないカツオのように、業界全体が走り続けた。 体内に浮袋を持ち、その浮力を利用して泳ぎ回るタイやスズキと違い、浮袋が未発達のカツオは泳ぎ続けなければ海の底に沈んでしまう。餌を追いかける時には時速100キロ、餌がなくても30キロ、休憩時でも最低3キロは出さないと沈むという「宿命」の魚。 このタフガイを支えているのが筋肉中に存在する「アンセリン」という疲労回復物質で、かつお節になってもかなりの量を含んでいる。売り続けなければ衰退してしまうという企業の宿命を背に、かつお節のアンセリンを補給しながらかつおパックを売り続けた40年。 まだまだ続く41年目。 流れに逆らわず、ひたすら泳ぎ続ける2015年になりそうである。
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