746.BBQ(2015.11.23掲載)
住宅情報番組を見ていると、レポーターが建売住宅の広いベランダや屋上庭園を見て、「ここでバーベキューしたら最高ですよね」とテンションを上げるシーンに出くわすことがある。 ほんとに家でバーベキューするかな。 毎回感じる違和感をすっきりさせるべく、日経産業地域研究所によるバーベキューの実態調査報告を精読した。 意外と経験者多し… 直近1年間のバーベキュー経験者は、20代で40%以上、60代でも20%前後存在し、全体平均30.6%。結構多いな。しかも、経験者の94%が今後1年以内にまたやりたいと回答している。 自宅人気… 経験者に実施場所をたずねたところ、なんと34%が「自宅や実家の庭」と回答し、「キャンプ場」の18%をぶっちぎっている。日常空間でイベントを実施しても盛り上がらないだろうとの思い込みを反省。住宅レポーターは正しかったのだ。 かつて、昭和の貧乏長屋は毎日がバーベキューだった。汲み上げた井戸水で顔を洗い、七輪で魚を焼き、焚き火に芋を放り込んだ。貧しいどころか、実に贅沢なワンダーランドではないか。 とすると、自宅バーベキューは昭和の暮らしへのノスタルジーかな。 作業の中心… 「バーベキューの中心は自分」と答えた男性が82%もいた。頼れる父親の復権か、はたまた主婦の解放か。ならば自宅よりアウトドアの方が父の威厳を見せつけられる気もするが、たぶん「遠出はめんどくさい」と反対されるんだろうな。 ここまでバーベキュー需要があるのなら、関連商品や関連サービスを考えねばなるまい。バーベキュー臭専用の消臭剤とか、焼き肉屋がアウトドア風テラスを増設するとか。 この分野の先達である「バーベ急便」。食材を含めた屋外への設営から撤収までをすべて請負い、結構繁盛しているらしい。 商売のタネは尽きないのである。
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