770.AGE(2016.5.16掲載)
先日、年に一度の健康診断を受けたのだが、体重から血糖値に至るすべての数字が良好で、オールAの最高評価だった。 気分よく主治医と面談していたら、調子に乗るなと言わんばかりに新たな課題を突き付けてきた。 「これからはAGEにも気をつけましょう」 「何ですかそれ?」 AGEとは、タンパク質と糖から生成される終末糖化産物(Advanced Glycation End-products)のことで、老化を進める原因物質の一つらしい。 「血圧、血糖値やコレステロールの管理だけでは不十分です。食事から老化の原因物質AGEが体内に取り込まれると、いろんな病気を呼びこみますよ。それと、AGEがたまると肌のコラーゲンの働きが損なわれ、しわが増えて老け顔になります」 「そりゃ大変。で、どうすれば?」 AGEは、脂っぽい食材を高温で加熱調理した際に生じる茶色い部分に多く含まれ、カルボナーラ、サーロインステーキ、ミックスピザが高AGE食品だという。 よって、調理法は水を多く使った低温調理が理想。つまり、煮る、蒸す、ゆでる。焼肉よりしゃぶしゃぶ、焼き餃子より水餃子、野菜炒めより温野菜がいいというが、焼肉と焼き餃子と野菜炒めをこよなく愛す私にとって、この選択はかなりの試練。これは無理だな。 ちょっぴりへこんでいると、健診センターの待合室で隣に座った老紳士が話しかけてきた。 「前回オールCだった数値がオールAになりました。先生との約束を守って本当によかった。先生との約束は4項目。高AGE食品を食べない、1日30分歩く、酒は1日1合、タバコは1日5本」 「やっぱりAGE食制限がきつかったのでは?」 「いやいや、それは簡単。一番きつかったのはタバコ1日5本です。…なにせ普段タバコを吸わないもんで」 上には上がいる健診センターの昼下がりなのである。
\\\\
|
column menu
|