776.青春の分析値(2016.6.27掲載)
最近、ネット上の鑑定サイトがにぎやかである。「あなたを映画スターに例えると」「動物に例えると」「あなたに似合う国は」等々。 そんな中に「青春の値段、鑑定します」というサイトがあった。若き日の学業、修行、悪行に思想なんかを加味して入力すると、それなりの金額を算出してくれるらしい。大きなお世話だ。ほっといてくれ。 そこで、「青春の分析値、測定します」という企画を考えてみた。 水分、塩分、脂肪分。業務上、毎日目にするさまざまな分析値。その数値に何の意味があるのか。数字でおいしさを語れるのか。そんな日常業務のジレンマを生かし、「日本青春分析センター」本日開店。 まずは自身の分析を敢行。 水分…同じクラスに水も滴るいい男がいて、「こいつには絶対勝てない」と思っていた。滴る彼を水分80%とすると、私はひいき目70%。ある情報番組で、「風呂上がりは男前に見える」ことを証明していたが、血行が良く、みずみずしい風呂上がりは2割増しで色男に見えるらしい。修学旅行の湯上がりで勝負すべきだった。 塩分…涙の数に比例する。部活合宿の厳しさに涙した夜や、不条理に枕を濡らした朝など。高校総体開会式のマスゲームで砂埃が目に入って泣いちゃった昼下がりもカウントすると、3%くらいかな。しょっぱいね。 脂肪分…万年補欠の水泳部員は「脂肪分をつけろ」というコーチの指導だけはまじめに守り、ぽっちゃり体系を維持。筋肉なしの体脂肪率30%。 タンパク質…濃い。 比重…右寄り。なぜか国体護持に燃える愛国青年だった。下着は白。皇室アルバムはビデオに保存。一昨年末、サントリーホールの第九演奏会で両陛下とのご同席が叶い感無量(同じ会場にいらしたというだけ)。 pH…部活の帰り、校舎の陰からレモンスライスの差し入れが飛び出してくることを期待し続けた3年間。現実はそんなに甘くない。つまり酸性。 こんな感じの分析値。入社面接で履歴書と一緒に提出する時代が来るかもしれないと期待するのである。
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