777.大脱走(2016.7.4掲載)
枕崎に通い始めて30年になる。日本一のかつお節産地を年に数回訪問し、職人と一緒においしいかつお節づくりに没頭するのだ。 30年も通っているから十分観光ガイドができる。もちろん、ガイドブックには記載されていない裏ネタ満載で。 裏ネタ1.雨の日のサーブ 松山−鹿児島間は、37人乗りのサーブ社製プロペラ機で1時間のフライトだが、雨の日に1Aの席に座るとレインコートを着用させられることがある。入り口ドアのパッキンが甘く、雨がしぶくというのだ。 「こんなの着て大丈夫なの?」 「飛行の安全に影響はございません」 「十分影響あるやろ!」 こんなやり取りをCAさんとした後、膝がぶつかりそうな近さで向かい合って座る。旅の始まりとしては最高の座興ではないか。 裏ネタ2.砂風呂健診 枕崎から1時間ほどクルマを走らせると、砂風呂で有名な指宿に着く。おすすめは「砂むし会館 砂楽」で大人1080円。15分ほど砂に埋まるだけで疲労回復と血液サラサラ効果があり、本当に体が軽くなる。 そして、人知れず素肌の上に着用している浴衣を脱ぎ、赤くなっている部位は無いかチェック。体の悪いところが赤くなるのだ。冷え性の私は足先が真っ赤になる。 裏ネタ3.マックイーンの気持ち 薩摩酒造が運営する見学用焼酎工場「明治蔵」でさつまいもビールを飲むと、スティーブ・マックイーンになれる。 映画「大脱走」の中で、ドイツ軍捕虜収容所のマックイーンがじゃがいも焼酎を作るシーンがある。これを7月4日のアメリカ独立記念日に捕虜仲間たちに振る舞うのだが、最初に口をつけた瞬間、名優たちがクセのある味に顔をしかめる。さつまいもビールも顔をしかめる。 さらに、砂風呂から脱出した直後にこのビールを飲むと、脱走用のトンネルが崩れて砂まみれになるチャールズ・ブロンソンの気持ちになれるかもしれない。 こんな感じの観光裏ガイド。日常からの大脱走にいかがでしょう。
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