786.論理的思考力(2016.9.12掲載)
先日、某大学の就職セミナーで、「入社面接を勝ち抜く論理的思考力」というテーマで講義を行った。質問に対して論理的に回答することで、面接の評価が上がるという主旨である。 論理的に話すテクニックを次のように解説した。 まず、話そうとする内容を10枚のカードにばらして頭の中に置く。その中から、削除しても特に問題のないカードを6枚選び頭の中から消す。残った4枚のカードを時系列ではなく、わかりやすい順に並び変える。そして話す。 こうすることで、伝えたい内容が最短時間で的確に相手に届く。考え過ぎてフリーズしたのでは本末転倒だが。 逆に、論理的でない話し方として、「仕事から帰った亭主に今日の出来事をグダグダ話す奥さん」を実演した。 「あなた聞いてよぉ。今日ね、ウチの洗濯物が風に飛ばされてお隣に飛んでったのよ。それを取りに行ったらお隣の奥さんに文句言われてさぁ、いつも葉っぱが飛んできて掃除大変なんですよって。あなたが日曜日に剪定しなかったからこうなったのよ。剪定道具買っといたじゃない。おまけに息子の自慢話なんかも聞かされちゃって、東大ですって。もう100回は聞いたわ。それでその息子さんがね…」 さっきまで論理的仕事モードだった亭主は、「それで、結論は?」というフレーズをぐっと飲み込み、平和と安寧のために次の模範回答を吐き出すのである。 「へぇー、そうなんだ、大変だったね」 この小芝居を聞いていた心理学の女性教授が、「いやいや恋愛時は女性の方が論理的ですよ」と講義後に突っ込みを入れてきた。 恋愛時、男性は視覚野が活性化され、子孫繁栄にかなう相手かどうか女性を外見で判断するが、女性は記憶野が活性化され、男性の言葉に偽りはないか、過去の甘いトークとの齟齬はないかと審査する。女性が記念日にこだわるのは、将来を委ねる相手の誠意をはかる踏み絵として利用しているからなのだ。 なるほど、恋愛期間は男子の面接試験期間でもあるんだな。 次の講義ネタができたと、女性教授に論理的に感謝した次第である。
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