810.マインドフルネス(2017.3.6掲載)
最近はやりのマインドフルネス。なんだか洗脳されちゃいそうな単語だが、実際は宗教色を排除した科学的な瞑想のこと。 1979年、マサチューセッツ工科大学のジョン・カバット・ジンが瞑想の効果を医療に役立てる「マインドフルネス・ストレス低減法」を開発した。 さらに1990年代に入り、ダライ・ラマ14世が「1日8時間も瞑想するチベット仏教の修行を効率的に変えたい」と、瞑想の科学的検証を開始。fMRI(機能的磁気共鳴画像診断)で、瞑想時に僧の脳内の特定部位が活性化することを確認した。 これらの検証結果に目をつけたグーグル社が2007年にマインドフルネスを社員研修に取り入れたものだから、追随する企業が一気に増加したのである。 マインドフルネスに挑戦してみよう。 まずは集中瞑想。基本となるポイントは「調身」「調息」「調心」の3つ。 調身とは姿勢のこと。 背筋を伸ばして肩の力を抜き、椅子に座る。目は軽く閉じるか半眼。おへその下あたりの「丹田」に力を入れると自然とよい姿勢になる。 調息とは呼吸のこと。 吸うよりも吐くほうを長く、ゆっくりと深い呼吸をしてリラックスする。 調心とは心を整えること。 一つの対象に意識を集中させる。例えば自分の呼吸。吸う息は少し冷たく吐く息は少し暖かい。空気の流れ、胸やおなかの動きに意識を向けてみる。 集中瞑想時の脳内を観察すると、集中力、記憶力、認知能力に関係する「前頭前皮質」という部位が活性化することがわかった。すなわち、これらの能力が鍛えられるということ。 うまく瞑想状態に入るにはある程度の訓練が必要だが、姿勢を良くする調身だけでも十分効果はある。スマートフォンの普及で猫背が増えた。うつ向き姿勢が首の骨に負担をかけ、飛行機の離着陸で首を痛める客室乗務員が増えたという話も聞く。 まずは背筋を伸ばし、胸を張って丹田に力を込めていこう。 ただし、集中瞑想を気にしすぎて迷走せぬよう注意が必要だが。
\\\\
|
column menu
|