824.竹の子族(2017.6.12掲載)
NHKアーカイブスで、1980年放送の「若い広場 原宿24時間」というドキュメンタリー番組を見た。 原色の法被風ガウンとハーレムパンツを身にまとい、ディスコ音楽にあわせて踊る「竹の子族」にスポットを当てた内容で、自由に自己表現できる場を求めて全国から原宿の歩行者天国にやってきた若者たちが主人公だった。 小生、竹の子族とほぼ同世代であり、懐かしく当時にタイムスリップできると期待して観たのだが、実際は違和感だらけ。40年足らずでこんなにも変わってしまうのか。当時はこれがカッコよかったのか。 違和感その1.女子がみんな太っている。見事に全員ぽっちゃり顔。ヤンキーもぽっちゃり、家出少女もぽっちゃり。平成の癒し系でもここまでぽっちゃり顔はいない。 これにはデータの裏付けがある。2015年の国民栄養調査を1980年のデータと比較すると、15〜19歳女性の肥満率が10.3%から3.4%に激減しているのだ(現在の肥満率定義はBMI値25以上だが、1980年当時は皮下脂肪厚5センチ以上)。 違和感その2.みんな素直。とにかくみんなまじめにインタビューに答えている。リーゼントのロックンローラーが「山形の田舎さ帰って百姓すっから今日で引退だぜ」と語るシーンは圧巻。当時はそれなりに恐かったツッパリたちだが、今見るとかなりかわいい。 違和感その3.バリバリ。当時の流行語だったらしい。「流行語大賞」が始まったのは1984年だから世間への浸透率は定かでないが、とにかく若者は多用していた。「バリバリかっこいい」「バリバリ最高」。そう言われると使っていたような…。 竹の子族は「ブティック竹の子」で売られている服を着て踊ったことから付いた名前であるが、由来どころか、存在した記憶自体が風前のともしび。戦争を経験した世代がいなくなると再び戦争が始まるというが、竹の子族もそうなのか。 平成の竹の子族登場にバリバリ期待してしまうのである。
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