900.2018年大団円(2018.12.24掲載)
今年一年の総括として、SMBCコンサルティング発表の2018年ヒット商品番付を見た。 東の横綱に鎮座するのは、がんの特効薬開発につながった「ノーベル医学生理学賞」。受賞コメントで研究者たちが必ず口にする「日本の科学研究は先細りする」という憂い、そろそろ文部科学政策に反映させてほしいな。 西の横綱は「大坂なおみ・大谷翔平」だったが、ここは「池江璃花子・羽生結弦」を加えて「新世代アスリート」でどうか。気合いや根性で練習せず、平常心で淡々と結果を出すからプレッシャーとは無縁。スポ根世代の精神論が全否定されたが、それはそれで嬉しい。 東の大関は「人生100年時代」で、西が「平昌五輪・FIFAワールドカップ」。東の関脇が「eスポーツ」、西が「第100回全国高校野球選手権記念大会」。東小結の「働き方改革」まで含め、スポーツと健康が上位を占めている。 そして注目は東前頭3枚目の「チコちゃんに叱られる!」。NHKの底力を見せつけたバラエティ番組だが、いま本当にすごいのはNHKのEテレである。 おすすめは「ねほりんはぽりん」と「ろんぶ〜ん」。 「ねほりんはぽりん」毎週水曜日夜11時 裏事情や裏社会にハマってしまった一般人に、山ちゃんとYOUが聞きづらいことを根掘り葉掘り聞くトーク番組。聞き手がモグラ、ゲストがブタの人形劇だから、かなり軟らかい雰囲気だが内容は超えぐい。「少年院」「児童養護施設」「暴力団」「LGBT」「パパ活」「元子役」…。本当にえぐい。 「ろんぶ〜ん」毎週木曜日夜11時 研究者が人生をかけて生み出した小難しい論文を、日常レベルに落として「ロンブー」田村淳が解説する教養バラエティ。「ギャンブル」「恋愛」「感動」「仕掛け学」「アイドル」…。身近な内容がどうすれば学問に昇華するのか。研究者のオタクぶりも秀逸。 スポンサーを気にせずマニアックに突っ込めるから、放送ぎりぎりの内容まで迫れるNHKの強み。 チコちゃんに叱られながらねほりはほり取材したネタを論文にしようとたくらみつつ、2018年大団円とさせていただきます。
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