909.クジラ談義(2019.3.4掲載)
最近、学校給食のメニューに復活し、往時の売り上げを再現せんと頑張っている食品が2つある。それは、クジラとヤクルト。 まず、クジラ。戦後の学校給食で安価な栄養源として大活躍。脱脂粉乳と並んで、団塊世代センチメンタル話の主役となった。 小生の小学校時代も引き続きクジラ黄金期であり、魚屋のおばちゃんが乳母車を押して町内に売りに来る分と合わせると、週に2〜3回は竜田揚げと刺身を堪能していた。 我が実家の貧しい食卓で、クジラは「肉」だったんだ。 その後、1982年の商業捕鯨廃止とともに学校給食から姿を消したのだが、近年、学校給食に限り市価の3分の1でクジラを供給するという制度が確立し、復活の運びとなったのである。 現在、調査捕鯨で捕獲され流通するクジラは年間約1200トン。たっぷりあるじゃないか。グリーンピースは反対するが、クジラは人類が食べる4倍量の魚(年間約4億トン)を食べるらしいから、生態系を守る意味でも捕鯨と竜田揚げは正解だと思う。 そして、ヤクルト。昭和40年代半ば頃、容器がビンからプラスチックに変わり、ヤクルトレディの活躍もあって、1日の販売数量1800万本を達成。その勢いで学校給食にも浸透していった。 夏休みの宿題工作といえば、ヤクルトの空容器で作ったアポロ11号が定番だった。 一時期なぜか姿を消したが、昨今のプロバイオティクスブームに乗って復活。900万本にまで落ち込んでいた1日販売数量も、上昇しつつある。「腸内フローラのバランスを改善することにより、宿主に有益な作用をもたらす微生物」というプロバイオティクスの定義は、ヤクルトそのものだ。 クジラとヤクルト。魚屋のおばちゃんとヤクルトレディの地道な販促活動が実を結んだ国民食。必ず復活の日が訪れると思う。 そして、接待で活用するのはクジラの刺身が出るお店。 竜田揚げ談義で30分は盛り上がるから、テッパンの食事ネタなのである。
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