935.顔(2019.9.9掲載)
元来、人の顔を覚えるのが苦手である。 先月会ったばかりの人に「はじめまして」と名刺を差し出し、フリーズされたことが何回もある。 そこで、1995年に設立された「日本顔学会」で「顔」について基礎から学んできた。顔認証技術、心理学、歯学や美容学の専門家が集うユニークな学会で学んだこと3つ。 その1…日本人は、男女の違いをあごと眉で判別している。 画像上で合成した男女各26人の「平均顔」と、男女それぞれの全ての画像特徴を2倍にした「強調顔」を比較すると、あごと眉に男女の差が現れた。がっちりしたあごと凛々しい眉。今度、知人のオカマちゃんの顔をじっくり観察する予定である。 ちなみに、英国人の場合は男女の骨格差が大きいため、あごだけで性別を見極められる。 その2…顔で裁判の有利不利が発生する。 米国マサチューセッツ州の裁判所での判決結果と犯罪者の顔を500件調べたところ、大人っぽい顔は意図的な犯罪のケースで有罪になりやすく、子供っぽい顔は不慮の犯罪で有罪になる傾向が強かった。 つまり、老け顔は悪いことをしそうで、童顔は誠実だがうっかり犯罪に巻き込まれてしまいそう、と判断されるのだ。 16歳の時に28歳に間違われた小生、あぶないあぶない。 その3…絵文字は世界共通ではない。 喜怒哀楽の表情を浮かべたさまざまな顔写真を各国の人に見せた場合、間違いなくその感情を認識できた。それが絵文字になると、かなり地域差が出る。 例えば西洋型は目の形が一定で口がいろいろ変化するのに対し、日本の絵文字は目でさまざまな感情を表すケースが多い。相手の表情を読み取るときに目を見るのは日本人の特徴だとか。 ちなみに西洋式絵文字の「:/」は、横顔を簡略化したイメージで「ごめん」と謝っている表情らしい。全く分からない。 同じフロアに居てもメールでやり取りしたりする昨今、やはり顔を突き合わせたコミュニケーションが重要なのだ。 顔認識の課題克服は、その後である。
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