941.インステップキック(2019.10.21掲載)
スポーツの神様は、中学時代に水泳部で汗を流し、高校時代にサッカー部で涙を流した私に「胴長短足」というコンプレックスを与えたもうた。 水泳をすると胴長になり、サッカーをすると短足になる。 根拠のないこの都市伝説に抗うように、三十路の声を聞いた頃から水泳とサッカーを断ち、シェイプに努めた。 ところが、サッカー短足説には根拠があったのである。 日本では子供に初めてサッカーを教える場合、インサイドキックがほとんど。逆に欧州では、歩行動作に近いインステップキックからが普通だ。 インサイドはパスの精度が高くゲームは作りやすいが、かかとを押し出して、ボールをける面を立ち足と直角にするため子供の体に負担がかかる。日本に猫背の選手が多いのはその弊害らしい。 たしかに、インサイドキックを正確に蹴ろうとすると猫背でガニ股になるから短足に見えてしまう。 クリスティアーノ・ロナウドがかっこいいのは、インステップキックから始めたからなんだ。もしかすると、サッカー日本代表の決定力不足もインサイドキック重視に原因があるのかもしれない。 ところで、サッカー、ラグビー、バスケットのように敵味方が入り乱れる競技は騎馬民族向きで、日本人には不向きといわれている。農耕民族に向いているのは、野球、バレーボール、卓球、バドミントンのように攻守が分かれている競技。 けど、ラグビーは日本人向きだと思う。 前にパスできない不条理を飲み込み、チームワークでコツコツつないで前進する姿勢。複雑なルールとノーサイドの精神。完璧に役割分担されたフォーメーション等々、日本人気質に合う要素満載だ。 そして、一見ワイルドな選手がスーツを着るとスタイルがよくてジェントル。 それもそのはず、ラグビーのキックは全てインステップキックなのである。
\\\\
|
column menu
|